宗教家のすがいんです。
今日は金光教の注意点について書いてみたいと思います。いわゆる戒律です。
- 仏語。修行者の生活規律。仏のいましめを自発的に守ろうとする心の働きをいう戒と、僧に対する他律的な規範をいう律を合わせた語。
- 一般に、信者が信仰生活において守るべき規律・規則。
金光教に戒律はありません。
まず結論になってしまうのですが、金光教本部のwebサイトより……
金光教には戒律がありますか?
天地金乃神様は、戒律を守らなければ助けないという神様ではなく、天地の間に住む私たちが、自由に人間らしく生きるための力を与えてくださり、守り導いてくださる神様です。金光大神(金光教祖)は、神様と人間との間柄や、神様の子としての人間の本来の生き方を教えていますが、教えによって人を縛ったり、裁いたり、強制したりすることはありません。
だから、戒律はないということですね。じゃあ何でもいいのかということについて、よく言われる食事や服装などについて、わたしの思うところを書いてみたいと思います。
各宗教の戒律についてはこちらを参照しました。→「 世界の4つの宗教における、意外と知らない旅先での注意点 」
ほかにもまだまだあるのでしょうが、とりあえず「 世界の4つの宗教における、意外と知らない旅先での注意点 」にある項目だけでもおって書いてみたいと思います。
各宗教の戒律
1.女性の服装( イスラム教 )
金光教では、まず、男性とか女性とか区別しないと思います。みな神様の氏子として同じことですから、男性だから、女性だから、ということはないと思います。また、各儀式への服装の決まりも特段ないと思っています。それぞれが神様をどう思うかで、自ずと服装も変わって( 畏まって )くるようにも思います。はじめはTシャツ短パンでお参りしていたけれども神様を知るうちに襟付きのシャツを着てくるようになるとか。
2.豚肉厳禁( イスラム教 )
食物はみな、人の命のために天地の神の造り与えたまうものぞ。何を飲むにも食べるにも、ありがたく頂く心を忘れなよ
金光教教祖さまのみ教え
このみ教えのとおり、豚肉云々というより食べ物、飲み物すべてにおいて、何でも見境なく食べて良いというより、ポイントは何でもありがたく「いただく」という心( お断り )が必要かと、そのことを大切にしております。なるべく残さないようにするということもそうですね。食べ放題などでは特に注意します。
3.酒盛り禁止( イスラム教 )
2.に同じです。ありがたく「いただく」心( お断り )です。自ずと節度も保たれるかと。
4.ラマダン(断食)の時期に要注意( イスラム教 )
関係がありませんので、これは飛ばします。
5. カジュアルすぎるとアウト( キリスト教 )※通し番号変えてます
1.に同じです。カジュアルすぎるから参拝できないということはありません。帽子をかぶられていたら取るようには促すことはあります。神様の御前ですからね。人対人でも何かをお願いするときなど帽子は取るのではないでしょうか。感覚的なところですね。特段事情がなければサングラスなども。
6.教会内でのマナー( キリスト教 )
記事中では写真撮影について書いてありましたが、どうでしょうね。金光教の教会では結界取次と呼ばれる、参られた氏子の悩みを聴くカウンセリングのような働きがあります。お結界と呼ばれる場所で行われます。大抵がご神前のすぐ横に位置されていますので、親密な話をしている横でカシャカシャとしているのもどうかと思いますので、そのような場に出くわしたらなるべく控えてもらうようにはするかもしれません。
7.クリスマスや日曜日の過ごし方( キリスト教 )
クリスマス……これはすごく悩みますが、イベントとしてはアリだと思っています。「 キリストの生誕祭 」と意識してされるのであればどうなのかなぁと思ったりします。他の神をあなどらない事という教えはありますので、否定はもちろんしませんが、金光教で天地金乃神様を信奉していて「 キリストの生誕祭 」となると少しズレてくるような気がしていますが。まぁイベントとして。子どもたちも喜びますし。
我信心する神ばかり尊て他の神をあなどる事なかれ
金光教教祖さまのみ教え
日曜日の過ごし方も特にありません。日々が*さら( *さら:新しいの意 )ですから、毎日が新しく、生命をいただいた日々に曜日だからという変わりはありません。関東圏では日曜日に祭典を仕える教会が多いですね。武蔵小杉も日曜日、基本、第二第四が祭典日です。理由はお仕事をされている方がお参りされやすいように、です。
8.神聖なる牛( ヒンドゥー教 )
2.に同じです。ありがたく「いただく」心( お断り )です。
9.お肉が恋しくなる・・・( ヒンドゥー教 )
2.に同じです。ありがたく「いただく」心( お断り )。ベジタリアンについて少し……。この教会にも食事制限がある信仰をされている方が「 話を聴いてください 」とお参りされたこともあり、「食べたいのに食べられない」という本音は聴いたことがあります。その方は卵を食べてはいけなかったのですが、結局食べてしまっていました。コンビニエンスストアで売っている菓子パンが無性に食べたくて食べてしまった。原材料に卵が入っているかと思いますが、それを食べては調子が悪くなったとか言っていましたから、聴いていて大変だなぁとは率直に思いました。
10.左手は不浄( ヒンドゥー教 )
これも関係がありませんので、飛ばしますが、五本の指の教えがあります。
五本の指が、もし、みな同じ長さでそろっていては、物をつかむことができない。長いのや短いのがあるので、物がつかめる。それぞれ性格が違うので、お役に立てるのである。
金光教教祖さまのみ教え
それぞれの役割があるということですね。右手にも左手にも。
11.神聖な部分は頭( 仏教 )
頭は神聖な場所として触れてはいけない部分、これも特に無いです。子の頭を叩くより……というみ教えがあるくらいですから。
子の頭を叩くより、自分の頭を叩けば、すぐにおかげになるぞ
金光教教祖さまのみ教え
12.女性は触れることさえ禁止
これも男性、女性分けずに異性( または同性 )に触れることも禁止されていません。子( 実子・養子問わず )を持ち「 親 」にならせていただくということは大切にされているように思います。金光大神は子孫繁昌、家繁昌の道を教えるのじゃと言われております。
天地の神様は氏子の親神である。かわいいわが子を、どうして難儀に遭わせなさるであろうか。わが子をもって合点するがよい。常平生、神様に取りすがっていれば、神様と心安くならせてもらっているも同然である。無理も聞いていただける。大難は小難にまつりかえてくださり、小難は無難にお取り払いくださる
金光教教祖さまのみ教え
ただ、子が嫌い、結婚もしたくない、人間関係が煩わしいという方の話も当然聴かせていただきます。子を持ちなさいと諭すこともありません。あくまで神様の心が知りたければ……ということですから。
以下、ユダヤ教が続きますが、曜日・食事・服装ですので飛ばします。
おわりに
書いていたら結構考えさせられるところが多くありました。金光教はカウンセリング宗教と呼ばれるように、とことん氏子の話を聴くことが基本です。ですから氏子の話を聴いた上でその方の助かりを願い一緒に考えていくということです。ですので、子どもが嫌い、という理由で困っているならどうしていこうか……という具合ですので。やはり決まりはないですね。
教祖様の説かれた「人が助かりさえすれば、それでよい」が、もう究極ですから。子どもが嫌いな人に好きになりなさいというのも酷な話ですし、その人その人が困っていることを神様に願っていくということですね。
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氏子の中には金光教ほど難しい宗教はないですよと言われる方もいます。戒律がない、何でもお断り申してさせていただけばよいというのも自由すぎて、かえって難しく感じる人もいるのでしょうね。
わたしなどは、とてもシンプルで分かりやすくありがたいなぁと感じているのですが……みなさんはいかがでしょうか。あくまでわたし( 一金光教教師 )が思うところを書いてみました。何かの参考になれば嬉しいです。